山 行 報 告 | |
2013/8/4〜9 南会津・メルガ股沢〜丸山岳 | メンバ:駒崎、大高ぁ、新村、大高ゅ、山本、根来 記録:根来、新村 |
【コースタイム】
【記 録】
(8月4日)
横浜を出発して駒崎さん宅に寄ってピックアップして、一路奥只見湖に向う。
奥只見湖大駐車場に着くが雨が降るとテントが濡れるため、手前にある野鳥観察の2階建て建物で仮眠をとることにする。午前4時頃まで宴会をして就寝。
(8月5日)
袖沢林道への道が判らず、しばらくウロウロと探すが結局は舗装道路を歩きダム手前の橋を渡り、トンネルを抜けると、そこは林道が崩壊していた。崩壊地を巻くように踏み跡があるのでそこを通り、林道に戻る。
南沢を過ぎ20分ほどで左から沢が入り、袖沢に降りる踏み跡と赤布があった。多分、袖沢乗越への沢であろう。計画書通りに先へ進み北沢に入るか、渡渉して袖沢乗越にでてメルガ股沢に入るか検討。
水量が多いことからメルガ股沢に入る事に決定。渡渉場所は少し上流の比較的穏やかな流れを呈している場所を選び、6人でスクラムを組んで渡渉。袖沢乗越への沢は入口は貧弱であるが水量はたっぷりである。
沢を詰め垂直の滝が出てくるがその手前の右側に踏み跡があり、そこに入ると赤布が付いていた。どうやらここからは沢沿いではないようで、踏み跡に従って進むと乗越の少し手前に出た。
メルガ股沢へは少し稜線を辿り右側の小沢沿いに下り、最後は懸垂下降でマルガ股沢に降りる。懸垂で降りたとたんに腰まで水に入る。ここも水量が多いようである。
遡行図では三角沢の合流点が幕場となっているが、手前に4テン、2テンの2張りが張れる適地があったので、幕営地にする。テントを張り、焚き火用の流木を集め、夕食のための岩魚を釣る。
形は小さいがおかずがないので、やむを得ず収穫する。夕食は岩魚丼とウドとウドの葉の天ぷらであるが、小さいので3枚におろすのに苦労した。小さな岩魚一匹をしっかりと焼いて骨酒にする。骨酒は少し甘味が感じられて実にうまい!
(8月6日)
岩魚釣りのため、洗戸沢に入るべく沢を下り、手前の倉前沢の合流点付近で大高ぁと根来が、あたりを見るべく竿を出し他の4人は更に下る。
残留組は本流と倉前沢でチャレンジするが全く釣果なし。暫くして下った4人も戻ってくる。どうやら少し下ったところで滝がでてきたので引き返した、との事。
少しは雨が降ったもののにわか雨程度だったが、急に流れが濁り、水量も増えた。上部の雪渓が崩れたのか、あるいは土砂崩れによる小さな自然ダムが崩壊したのか不明である。
幕場に帰る途中で赤ミズを沢山ゲットしたので、今日のおかずにする。幕場付近で岩魚を釣り、ミズのタタキに岩魚の塩焼きで夕食とする。
(8月7日)
メルガ股沢をつめて丸山岳に向う。途中、よさそうなポイントで竿を出し20cmくらいのを2匹と尺を越える岩魚を釣り上げる。1ヶ所だけお助けロープを出してもらう。二俣は右俣に入るのであるが滝が登れないので、一度左俣に入り藪を漕いで右俣に懸垂下降する。
そのまま沢沿いに最後まで詰めて行くと稜線手前の藪が切れた所に出る。見回すと赤布があったのでルートが正しかったことが確認できた。
まず稜線に出るべくネマガリタケの藪に突っ込む。稜線らしきところで左に方向転換し丸山岳に向うが道がなく相変わらずの藪である。藪の下には所々に踏み跡らしきものがあるが、藪が被っているため全く見えず稜線らしき所を進む。2ヶ所ほど赤布があった。
丸山岳手前で藪が切れる。頂上は草現状であるがテントを張る場所がないので少し先に、たおやかな草原があるので幕場に決める。少し下ると再び藪漕ぎとなるが、あまり長い距離ではない。左側には丸山朝日沢上部の雪渓が広がっている。
草原にはミツガシワ、ニッコウキスゲ、アキノキリンソウ、トキソウくらいしか咲いていなかったがトキソウは点在しているので、踏みつぶさないように注意してテントを張る。各自2?づつ水を汲んで来たので、全く心配はない。
沢の途中に残雪があったところで沢山のウドを採ったが夕食は岩魚汁のみ。尺岩魚をぶつ切りにするのはもったいないが、釣ってから時間がたっているのでサシミも怖く、焼くわけにもゆかず全く残念であった。夜は満天の星。明日の好天が期待できそうである。
(8月8日)
朝起きてみると前夜の予想とは違っており、一面深い霧である。北沢への下降点も判りにくいので、メルガ股沢を下降する事に決定。
藪の中では沢への下降点が判らず行きすぎてしまったので、二つ目の赤布の所まで戻る。見当をつけて藪を漕いで下降すると、登って来たところにドンピシャで出た。
暫し休息のあと下降する。数回、懸垂下降を繰り返し、最初にお助けロープを出してもらった滝を懸垂中、スリップして滝身に振り込まれ頭からまともに水を浴びる。まるで修験者の気分であった。
幕場に戻りテントを設営。改めて焚火用の流木を集める。大高ぁさんと山本さんは食糧調達のため上流へ岩魚釣りに出かける。夕食はゴボウ、ニンジン、シジミの入った炊き込みごはんに前日採ったウドの天ぷらと岩魚の塩焼き。今までで一番豪勢な夕食であった。
(8月9日)
5日目ともなるとさすがに風呂が恋しいのか、撤収作業はスムーズ。焚火の後始末をして出発。30分ほどで袖沢乗越に至る沢は水量が減っているので、ノーザイルで滝身を登る。滝は最初のだけで難なく袖沢乗越に出る。
木に桧枝岐村の職業漁師「平野 惣吉」の名が刻まれているとのことで探してみると、太いブナの幹に「惣吉」と刻まれていた。「山人の賦」(やもうどのうた)はまだ読んでいないがメルガ股沢を下り、洗戸沢まで入っているようだ。桧枝岐から山通しにここまで来るとは、精神力、山中の生活力には畏敬の念を覚える。
袖沢まではロープを出すこともなく順調に下降。袖沢は水量が減っていたので、3人1組でスクラムを組んで渡渉する。駐車場までは往路と同じく舗装路を辿る。途中、駐車場への水路を使ってショートカットする。 今回はメジロアブやブヨには大して悩まされず山行ができた。
駐車場をあとにして大湯まで足を延ばして入浴。道の駅「ゆのたに」で昼食。とんかつ定食を食べたが、ブルドックの中濃ソースが容器ごと出て来たのにビックリ。濃い味付けに「食事をしている!」とうい実感がしみじみと感じられたひと時であった。
(根来 記)
8月5日(月)
前夜は雨にぬれない場所をみつけて宴会。出だしから絶好調。
雨天増水と上部の雪渓の状態が不安なため、白戸川メルガ股沢に入ることにする。袖沢を渡渉して袖沢乗越へ。そこから踏み跡を下降してメルガ股沢に出る。
出合から上流に少し進んだところにいいテン場を発見。整地して、薪集めと釣りに別れる。
雨が降ったり止んだりだったが、大高さんのお陰で焚火の炎は消えず、タープの下で天ぷらもできて、ごちそうだった。
8月6日(火)
今日はメルガ股沢を下降して釣りに出かける。洗戸川を目指すが、大きな滝が出てきたので手前で引き返す。
途中の枝沢に入り、試してみるが、あたりもなく魚はいない様子。ミズを収穫してテン場に帰る。
テン場に着いたら今夜の宴の準備開始。私は駒崎さんに教えてもらい、ゆみさんと一緒にミズのたたきに初挑戦。繊維をほぐしていくと、面白いくらいに粘り気が出てきた。初めての味、いいおかずになった。
今日もパチパチ燃える焚火を囲み、岩魚をはじめ豪華なおかずで宴会。
8月7日(水)
今日は丸山岳を目指して沢を詰める。上流に進んでいくと、久しぶりに魚影が現れる。竿を出すと、次々と釣れる大物岩魚。有難くその場で絞めて、一緒に沢を詰める。
途中、ロープを出してもらってなんとか上がれた滝がいくつかあった。大高さんはザックを背負ったままトップで上がり、さすがだと思った。
丸山岳稜線までの藪は濃く、稜線に出たと思ったら、そこから丸山岳までの藪こぎがまた更に厳しかった。踏み跡はほとんどなく、ルートファインディングが難しい。大高さんがトップで、私は後の方を歩かせてもらった。
藪を抜け、辿りついた丸山岳は、池塘のある草原で清々しい。丸山岳の少し先にテントを張り、お疲れ様の乾杯をする。大高さんとゆみさんが岩魚汁を作ってくれ、おいしくいただいた。
8月8日(木)
今日は北沢を下降するかメルガ股沢を下降するか2つの選択肢があったが、北沢の様子が分からないこと、西の沢上部に雪渓が残っていたことなどからメルガ股沢を下降することにする。
稜線の藪に出ると、昨日通った道はもうない。苦労して下降点付近まで辿り着くが、昨日上がってきた下降点がみつからない。
磁石と地図で方向を確かめ、再度赤テープを探す。赤テープがみつかり、ようやく昨日休憩した藪の切れ目まで出て、そこからは安心してメルガ股沢に入る。
懸垂下降しながら順調にテン場に到着。岩魚の塩焼きと昨日採ったウドを天ぷらにしていただく。ウドがおいしくて驚いた。
8月9日(金)
お酒もなくなったし、今日は帰ろう。もと来た道を戻り、袖沢乗越を経て袖沢へ。 まさにあっという間で、楽しい5日間だった。皆さん、有難うございました。
(新村 記)